いつもベランダで洗濯物を干すタイミングと
とある人が家の前を通過するタイミングがかぶる。
その人は
杖をつきながら
ゆっくり歩いている。
その人の足元の新しい風のシューズから
何か『受け入れた上での決意』みたいなエネルギーを感じる。
そして
ベランダに佇む私の
胸の部分を必ず動かしていく。
その人は
僕の何かを動かしているなんて
露知らずだろう。
こんな風に
人は必ず
何かを動かすほどの
光を放射している。
今日も杖の音が
シューズの鮮やかないろが
僕の胸を熱くさせる。
僕の熱さもまた
きっと
何かを
誰かを
動かしている。