自分の本当の望みが
他の誰かを傷つけてしまうのなら
心なんてなくなればいいのに。
だけどなくならないから、
消えてしまいたい、だなんて。
かじかむ灰色の空に、やられちゃってるのか。
凍える雨粒をのせて、迷いが1ミリもなく咲く花に
寒いのが苦手な僕が、しばし心奪われていた。
『今朝、咲いたんだよ。』
後ろから大家さんの声。
目が、鼻が、胸が、じんと熱くなった。
心があって...よかった。
曇天の向こうにも、必ずある光。
そして、きっと、僕の中にも。