険しい顔をして
あなたは
やっとのことでバランスをとって
ゆっくり
よろめきながら歩いていた。
大丈夫かな。
ハラハラした。
いよいよすれ違う時。
僕のハラハラと裏腹に
あなたは楽しそうに
鼻唄をうたっていた。
ハラハラだなんて
僕が勝手にあなたの【辛そう】ストーリーを作ってしまった!
鼻唄をうたった時のあなたの内は
あなただけが知っている。
僕は
もう二度とすれ違うこともないかもしれない
あなたの旅の中の風景。
心配には及ばない。
すべてはうまくいっている。