背中なんてしゃんとしなくていい。
できるだけゆるめて、ゆだねて
誰かに見せるためではない
僕とはらからのつながりを味わうため
風の中で
光の中で
木々の中で
波を見ながら
音に包まれる。
ボウルの中に
一匹の虫がすべりこんできた。
羽が風やボウルの振動で揺れて
光があたって
虹色を放っていた。
不思議だね。
この小さないのちとの交差が
なんだかうれしい。
そこには
嫉妬とか、自己否定とか
一切ない。
ただ、ほんわりとしたあたたかさだけがある。
太陽は美しい。
ふいに出逢えたこの花も美しい。
たとえば
彼らが
誰かのものだとしたら
その美しさは変化してしまうのですか。
他の誰かのものでも
やっぱり美しいんじゃないですか。
美しいとうたうことは
これまた美しいんじゃないですか。
もう
不自然な縛りはやめにしていくよ。
射手座の満月が
背中を押してくれているみたいだ。
出逢えたキセキたちは
大切にしていきたい。
たとえ他の誰かに笑われたとしても。